移籍情報は錯綜するものだ。7月2日に【小池裕太】ユース産大学経由サイドバックがポルティモネンセで活躍を見込める4つの理由を書いて以降、彼の動きは活発だった。この記事を書いている7月29日時点において、『決定事項』はまだないと先に伝えたい。
7月上旬に「移籍決定か」と報じられたポルティモネンセには、練習参加、練習試合出場、得点まであげたが、移籍は成立しなかった。チーム側の事情ではないようだ。国内に戻ると、ベルギー・シント=トロイデンからの獲得オファーに加え、J1数クラブからの獲得オファーがあるようだ。海外はシント=トロイデン以外にも狙っているクラブがあるという。
左足をメインで使える左サイドバックは世界的にも不足している。国内でも永戸勝也(仙台)、松原后(清水)、山中亮輔(横浜FM)ら存在こそするが、需要があるのに供給量が不足している。ロシアW杯でもマルセロ(ブラジル)やリュカ・エルナンデス(フランス)といった存在は確かに輝いたものの、攻守にバランスの取れたサイドバックが各チーム揃えることはできなかった。
ワールドカップごとに戦術がアップデートされ、優勝国の戦術を倒すための戦術が4年間で進化を遂げるという情勢に移り変わる。その中でロシアW杯は今ひとつ新しい戦術が現れてこなかったと世界中のメディアで取り上げられていることだが、果たしてそれは真実だろうか。
今大会でVARが初めて設けられ、セットプレイやバイタルエリアでのデュエルの考え方が大きく様変わりする内容だったはずだ。局面単位で上京が変わるため、個々の戦術ではなく、一つのチームがどれだけの戦術を保持できるか、プランBプランCを試合内で繰り出すことができるかという『戦略』が明らかにアップデートされた。ハーフスペースを活用した攻守のトランジションが高速する中で3バックや4バックを変化させたり、2トップと3トップをスライドさせたりする中で、『明らかに武器』といえる左足からのクロスや、クロスできる左足を持ちながらカットインして得点を狙える意識を持ち合わせ、一定以上の能力を秘めている点で、国内外からのオファーが加熱してもおかしくない。一見普通のようだが、クラブは生き物だ。マルセイユで本職右サイドバックの主力である酒井宏樹が右ストッパーや左サイドバックも務めたのは、こなせる器用さがあるからではない。負傷離脱等でそうせざるを得なかった場合も多い。アルビレックス新潟ユース時代からトップチーム昇格を嘱望された逸材であり、流通経済大学での4年間、さらには鹿島アントラーズでの特別指定に伴う意識変容期も踏まえれば、一定以上の能力に加えてメンタルまで向上したことが窺える。
小池裕太はどこに進むのだろうか。しかし、シティ・フットボール産の山中亮輔、生粋の左サイドバック小川諒也(FC東京)とモダンサッカーに依拠できる世界基準のサイドバックが現れだした。日本がワンステージ上に引き上がるためのベースが小池裕太に隠されている。
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