Evolving Data Labo

【ベルギーリーグ】若手逸材の宝庫!ベルギーリーグでプレーするNEXTブレイク候補11名

7人の日本人選手が在籍することで、日本国内での盛り上がりも考えられるベルギーリーグ

▽他の欧州主要リーグと比べ一足先に開幕を迎えたベルギー・ジュピラー・プロ・リーグ。ロシアW杯におけるベルギー代表の大躍進は非常に話題になったが、ほとんどの選手が国内リーグ出身であり、今後も多くのスター選手が輩出されると予想される。
▽今回、ブレイク間違いなし!と注目する若手選手11名を「Evolving Data」が独自に厳選!それではご紹介していこう。
*2018/10/15に「FIFA19」の能力値を付け足しました。

● カルロ・レティツァ(Karlo Letica)
代表:クロアチア代表
Pos :GK
生年月日:1997/2/21(21歳)
身長/体重:201cm/90kg
利き足:右
所属:クラブ・ブルージュ
昨季リーグ戦:19試合1ゴール14失点(ハイデュク・スプリト/クロアチア)
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:72/80

▽今年の夏の市場で獲得した将来のクロアチア代表の正守護神候補。最大のストロングポイントは、200cmを超える身長を活かした手足の「リーチの長さ」だが、飛び出しやシュートに対する反応も早く、同じく高身長のベルギー代表GKティボー・クルトワのような選手になると期待されている。
 昨季のイストラ戦では、後半アディショナルタイムに劇的ゴールを記録。このゴールで世界的に注目を浴びたレティツァは、1部デビューしてからわずか半年でレアル・マドリードが獲得に興味を示すなど、欧州屈指の若手GKとして注目を浴びることに。ロシアW杯の予備登録メンバー35名には選出されたものの、惜しくも23人のメンバーに残ることが出来なかった。ただ、”ある意味”この落選はレティツァにとっては朗報だったのかもしれない。7月の最終週から開幕するベルギーリーグはシーズン始動が早く、仮にW杯メンバーに残っていたらスタメン争いで確実に出遅れていた。結果的にプレシーズンでアピールに成功したレティツァは、先日のカップ戦でスタメン出場し、勝利に貢献するなど新天地でスタメンの座を掴んだ。この調子で1シーズンを戦い抜いて欲しい。

*日本では「カルロ・レティカ」と表記するメディアもあるが、現地の発音では「カルロ・レティツァ」。

● エリアス・コボー(Elias Cobbaut)
代表:ベルギーU-21代表
Pos :LSB
生年月日:1997/11/24(21歳)
身長/体重:188cm/78kg
利き足:左
所属:アンデルレヒト
昨季リーグ戦:29試合1ゴール2アシスト(メヘレン)
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:69:79

▽2部へと降格したメヘレンが、置き土産として1部に残していった大型サイドバック。LSBとCBの両方でプレー出来るポリバレント性を持ち合わせている。左足から放たれる高精度のクロスが最大の武器であり、185cmのディマタ、190cmのサンティニが中央に構えるアンデルレヒトの1つの攻撃の形となりそうだ。
 これから1対1が強くなれば、本格的にCBに挑戦するのは”あり”かもしれない。ベルギー代表にはヤン・ヴェルトンゲンという絶対的な選手がいるが、コボーは彼の後釜となれる素質を持ち合わせている。サイドバックとして必要な走力に加えて、高精度のロングパス、CBとしては申し分のない188cmという高さ、そしてヴェルトンゲンと同じ利き足が「左」という点。これに1対1の強さを植え付ければポスト「ヴェルトンゲン」になれる可能性を秘めている。今後どのようなプレースタイルを確立していくか注目だ。


各国の「これから」を支える中盤の戦士

● サンデル・ベルゲ(Sander Berge)
代表:ノルウェー代表
Pos :DMF
生年月日:1998/2/14(21歳)
身長/体重:193cm/88kg
利き足:右
所属:ヘンク
昨季リーグ戦:12試合0ゴール
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:76/87

▽ノルウェーが生んだ大型ボランチ。193cm/88kgという圧倒的なフィジカルを全面に押し出したキープ力や推進力に加え、長短のパスでゲームを支配できる能力の持ち主である。以前からビッククラブから熱心に注目されており、昨季終了後のビッククラブへのステップアップが期待されていた。しかし、昨年10月のクラブ・ブルージュ戦で前半19分に負傷交代すると、残りのシーズンは全休となってしまった。ただ、18-19シーズンのプレシーズンマッチには出場しており、今シーズンまでケガが響くことはなさそうだ。
 20歳ながらA代表9試合に出場しているベルゲは、これから間違いなくノルウェー代表を引っ張る存在となるだろう。ベルゲに加え、MFモハメド・エルユヌッシ(サウサンプトン)やFWアレクサンダー・セルロート(ヘント)といった若手選手の成長が著しいノルウェー代表。さらにMFマルティン・ウーデゴール(フィテッセ)やFWラフィク・ゼフニニ(トゥウェンテ)といった伸び悩む20歳前後の選手たちが殻を破れば、20年ぶりのEURO出場が現実味を帯びてくる。

● アリストテ・ヌカカ(Aristote Nkaka)
代表:ベルギーU-21代表
Pos :DMF
生年月日:1996/7/1(23歳)
身長/体重:182cm/79kg
利き足:右
所属:オーステンデ
昨季リーグ戦:11試合0ゴール(オーステンデ)、16試合0ゴール(ムスクロン)
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:69/76

▽来季より名門アンデルレヒトでプレーすることが決まっているベルギー期待の守備的MF。最大のストロングポイントは、アフリカの血を引く身体能力を存分に活かした粘り強い守備だろう。一瞬のスプリントで相手選手からボールを奪うプレーには非常にセンスを感じる。さらにはゲームを組み立てるパスも上手く、チームの攻撃の起点にもなる。

● ジャン・ティエリー・ラザール・アマニ(Jean Thierry Lazare Amani)
代表:コートジボワールU-20代表
Pos :CMF
生年月日:1998/3/7(21歳)
身長/体重:172cm/66kg
利き足:右
所属:オイペン
昨季リーグ戦:30試合0ゴール1アシスト
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:68/78

▽現役時代、守備の名手であったマケレレ監督が重宝するCMF。マケレレ監督と同じように身長172cmと小柄ながら、抜群の身体能力で体格差をカバーしている。昨年1月に行われた強化試合のバイエルン戦では試合には敗れたものの、スター選手たちに真っ向勝負を挑むなどメンタルの強さも伺えた。これからマケレレ監督より守備の技術をしっかりと叩き込まれたら、ビッククラブへのステップアップも見えてくる。


強豪クラブ攻撃を牽引する若手アタッカー

● ピーター・ゲルケンス(Pieter Gerkens)
代表:ベルギーU-21代表
Pos :CMF
生年月日:1995/8/13(23歳)
身長/体重:180cm/72kg
利き足:右
所属:アンデルレヒト
昨季リーグ戦:34試合4ゴール6アシスト
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:73/78

▽2016-17シーズンにシント=トロイデンで大ブレイクし、昨季アンデルレヒトに引き抜かれたベルギーの若き逸材。DMF、CMF、OMFと中盤のポジションをハイレベルにこなし、パスの出し手としてもフィニッシャーとしても機能する。そんな彼の最大のストロングポイントは「周りを活かす力」だろう。昨季は後半戦に加入した日本代表MF森岡亮太と2シャドーの位置で息の合ったプレーから多くのチャンスクリエイトに貢献。しかし、プレシーズンに出遅れた森岡は構想外となり、代わりに新加入のFWディマタ、FWサンティニを活かすことが今季の仕事となってくるだろう。

● ギオルギ・チャクヴェタゼ(Giorgi Chakvetadze)
代表:ジョージア代表
Pos :OMF
生年月日:1999/8/29(19歳)
身長/体重:183cm/70kg
利き足:右
所属:ヘント
昨季リーグ戦:19試合1ゴール2アシスト
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:72/85

▽ジョージアが生んだ天才MF。ドリブルやパスのセンスやスキルはもちろん、視野の広さ、そして10代とは思えない落ち着きが彼の魅力だろう。母国のディナモ・トビシリの下部組織出身であるチャクヴェタゼは、16-17シーズンにトップチームに昇格。すると、すぐさまスタメンを確保し、リーグ戦24試合で5ゴール9アシストを記録。リバプールやトッテナム、レバークーゼンといった強豪クラブとの争奪戦の末、昨夏にヘントへ完全移籍。加入直後はケガの影響などでチームに溶け込めなかったが、シーズン終盤にかけて出番を増やし、試合を重ねるに連れて連携面が大きく向上。今季はプレシーズンから好調を維持し、開幕スタメンの座を掴んだ。試合には敗れたものの、1アシストを含む2ゴールを演出する活躍を披露。本格ブレイクに向けた可能性を感じるプレーだった。

● ジョゼフ・ペイントシル(Joseph Paintsil)
代表:ガーナ代表
Pos :OMF
生年月日:1998/2/1(20歳)
身長/体重:167cm/kg
利き足:右
所属:ヘンク
昨季リーグ戦:25試合10ゴール7アシスト(フェレンツバーロシュ/ハンガリー)
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:70/81

▽昨季、突如として現れたガーナ生まれの新星。身長は167cmと小柄だが、抜群のシュートセンスと身体能力を活かしたプレーでゴールを量産。特に初速が非常に速く、一瞬のスプリントで相手DFを剥がしてゴールへと結びつける事が出来る。
 ガーナのユースチームで得点を量産していたペイントシルは、17年5月に代表デビュー。プロデビューをしていない選手が、先にA代表デビューを飾るのは極めて異例だ。ユースチームでの活躍が認められたペイントシルは、17年夏にハンガリーの強豪フェレンツバーロシュへとレンタル移籍を果たす。開幕戦から1ゴール1アシストを記録し鮮烈デビューを飾ったペイントシルは、出場停止処分だった1試合を除きリーグ戦全試合に出場。10ゴール7アシストを記録し、チームの2位フィニッシュに貢献した。この活躍に目をつけたヘンクが、争奪戦を制し獲得に成功。背番号「11」を与えられるなど大きな期待が寄せられている。


次代のベルギー代表FWとなるか、NEXTルカクがアンデルレヒトに!

● ランドリー・ディマタ(Landry Dimata)
代表:ベルギーU-21代表
Pos: CF
生年月日:1997/9/1(21歳)
身長/体重:185cm/81kg
利き足:右
所属:アンデルレヒト
昨季リーグ戦:22試合0ゴール1アシスト(ヴォルフスブルク/ドイツ)
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:73/81

▽ヴォルフスブルクからレンタル移籍で加入している将来のベルギー代表のエース候補。一昨年はオーステンデでプレーし、当時18歳ながら24試合で11ゴールを記録。「NEXTルカク」とも称され、本家さながらの身体能力を活かしたプレースタイルが特徴。
 昨季加入したヴォルフスブルクでは、0ゴールと結果が残せなかった。しかし、この要因はヴォルフスブルクにあったと考える。特に昨季後半戦のヴォルフスブルクは、深刻な得点力不足に陥っていた。FWオリジが2ゴール、冬に加入したFWメーメディが1ゴールと、ディマタ含む出場機会を得ていた3人のFWで”3ゴール”しか奪えなかったのだ。これは彼らの決定力不足もあるかもしれないが、周りのサポートもなかったのも事実だ。やはり、若手のFWが成長を遂げるには、「ゴール」を量産することが重要だ。ゴールを量産することで自分の形、そして自身・メンタル面の強化に繋がる。このことを考えると、今年の夏に慣れ親しんだベルギーリーグに復帰したのは正しい判断だろう。アンデルレヒトでは、プレシーズンマッチからスタメンを確保。同じく新加入のFWサンティニとの相性も抜群で、開幕戦では1ゴール1アシストを記録。完全復活を遂げたディマタの今後のキャリアに注目だ。

● クレピン・ディアッタ(Krepin Diatta)
代表:セネガルU-20代表
Pos: CF/WG
生年月日:1999/2/25(20歳)
身長/体重:173cm/68kg
利き足:右
所属:クラブ・ブルージュ
昨季リーグ戦:8試合0ゴール
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:71/84

▽アフリカ屈指のタレント王国セネガルに現れた神童。クラブ・ブルージュ加入前は、マンチェスター・ユナイテッドが獲得に興味を示すなどビッククラブも注目している逸材だ。元々は中央でプレーする選手だが、FWウェズレイやFWフォッセンといった実力者がプレーするクラブ・ブルージュではサイドでプレーすることが多い。何と言っても彼の武器は、爆発的なスピードとテクニックだろう。それに加えパスやクロスも正確であり、「個」の力でチャンスを生み出せる。
 先日行われたスタンダール・リエージュとのカップ戦でも先発出場を果たしたが、脳震盪の影響で途中交代。開幕から数試合の欠場が見込まれている。

● ウェズレイ(Wesley)
代表:なし(ブラジル国籍)
Pos :CF
生年月日:1996/11/26(22歳)
身長/体重:192cm/93kg
利き足:右
所属:クラブ・ブルージュ
昨季リーグ戦:38試合11ゴール2アシスト
「FIFA19」能力値/ポテンシャル:77/85

▽クラブ・ブルージュの最前線に君臨する巨漢FW。空中戦はもちろんのこと、スピード、裏への抜け出し、シュートテクニックなどFWに必要な能力全てが一級品だ。さらには、ブラジル人らしい柔らかい足元やアイデアを持ち合わせている。
 先日行われたスタンダール・リエージュとのカップ戦でも先発出場を果たし、決勝点となるゴールを記録。この調子でゴールを量産すれば、2019年の夏にビッククラブへとステップアップを果たすだろう。