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【小池裕太】ユース産大学経由サイドバックがポルティモネンセで活躍を見込める4つの理由※追記あり

新潟産、流経大経由、欧州行き

 読者の方には、先に記載しておかなければならない。
本記事は2018年7月2日にリリースしたものとなる。改めて情報収集するが、流通経済大学所属の小池裕太選手は、その当時練習参加したポルティモネンセとの契約をすることはなかった。練習参加中の練習試合(ダンディー戦)における得点は本当だったものの、契約直前との報、背番号が「15」になったとの話は正確なものではなかったようだ。しかし、7月22日彼のもとにベルギー、シント=トロイデンからのオファーが入ったことが明らかになった。奇しくも、DF遠藤航(浦和)がシント=トロイデン移籍前最後の試合を戦っている最中のことだった。
 ポルティモネンセとの契約はないときっぱり語るも、シント=トロイデン以外にも欧州からも国内クラブからのオファーもきているようだ。数日内に決着をつけると語ったが、それに向けて我々は彼についての記事を再度執筆する必要がある。本記事はあくまで、もし「ポルティモネンセ」に行っていたら…との体で考えてほしい。(7月23日追記)

 日本代表の監督問題が勃発した春先、アルビレックス新潟ユース産、流通経済大で研鑽中の有望サイドバックに海外からの目が向けられていると報じられた。ちょうど流経大柏高時代に優勝したメンバーが大学をも制覇してプロの舞台へ飛び立った矢先のことだった。

 大学サッカーの観点で考えれば、1年時からサイドバックで頭角を現し、優秀賞を得たのが小池裕太だった。大学の選抜チームには選ばれ続け、順当に鹿島アントラーズの特別指定選手にも選出された。一見すれば順風満帆に見えた彼のキャリアも、状況を知らない者からすれば疑問があった。
 「なぜ新潟ユースからトップ昇格できなかったのか」
 「特別指定とは言え、大学の試合で出られない試合があるのはなぜか」
そして、
 「鹿島アントラーズの特別指定が解除された理由は何か」
これらの答えを求めた先に、ポルティモネンセが追い求めた理由があると感じた。彼のストーリーと共に、ポルティモネンセで活躍が見込める4つの理由をお伝えしたい。

1.実力派純正左サイドバック

 「実力的にはプロでも遜色なかった」と新潟ユース在籍時で本人が受けたコメントだ。流通経済大でさらに実力を高めているが彼のプレースタイルはロシアW杯日本代表LSBの長友佑都や酒井高徳とも異なる資質を持つ。そもそも彼は「左利き」であり、右利きの左サイドバックとは感覚から異なる。FC東京の太田宏介と小川諒也、清水エスパルスの松原后が左利きサイドバックとして一線で活躍しているが、小池裕太の本質はクロスではない。パンチ力のある左足を武器にした組み立てと攻撃参加が持ち味であり、どんどん攻撃に参加することとなるポルトガルリーグであれば、その資質は活かせると考えられる。

2.尖った上昇志向

 新潟ユースからトップ昇格できなかった点と、鹿島の特別指定を解除された点は事象としては同種だ。彼は「違い」を感じてしまう癖があった。しかし、その心の隙を新潟ユースのコーチ陣も、流経大のコーチ陣も見逃さなかった。
 実力は十分にある。個人としての成長意欲と上昇志向はかなり強く持ち合わせている。この資質は海外でこそより活かせるものだ。




3.チームへの貢献度も上積みした志向性

 鹿島の特別指定が解除されて以降、チームへの貢献を重視するようになった小池は、自身の上限を開放した。個人の実力を高めるだけでも人間の能力は向上する。しかし、信頼や貢献によって力は増幅することを知った。個の上昇志向に加え、チームロイヤリティーをもつ選手は強い。

4.ポルティモネンセに不在の専任左サイドバック

 主にMF中島翔哉の後ろを務めることになるLSBの位置は、固定できないままシーズンを終えた。ルーベン・フェルナンデス、ラファ・ソアレス、ルーモア・アグベニェヌらが主に担当したものの、20試合以上同ポジションで出場した選手おらず、固定できぬままだった。本来中盤やCBとしての選手も務めたことから、専任の左利きサイドバックを獲得する狙いは正しく、それだけの実力を、親交ある日本から獲得しようとする狙いはマーケティング的にも、小池本人の出場時間を考えても、十分に利のあることと言える。

 小池裕太のストーリーを外部の人間が書くのは憚られる。いつか本人に直に聞いてみたい。ユース発、大学経由、海外行きのルートは新しいものだ。宮市亮、長澤和輝、渡辺凌磨、渡辺夏彦らいずれのパターンとも異なる。特にディフェンダーである点がなおさらだ。左サイドを切り裂くマルチアングル型パワーキッカー小池裕太に注目してほしい。