Evolving Data Labo

【W杯データ解析】初出場アイスランドがメッシを封じた「7倍」の“奪取力”

アルゼンチンの「3」に対し、アイスランドは「21」

 ワールドカップ(W杯)初出場となったアイスランド代表が現地時間16日にアルゼンチン戦に臨んだ。FWセルヒオ・アグエロのゴールで先制されたアイスランドは、4分後にFWアルフレズ・フィンボガソンが同点弾を決めた。アイスランドは後半、アルゼンチン代表にシュート16本の猛攻を許すもゴールラインを割らせず、W杯初戦で勝ち点を獲得した。この試合を「オプタ」のデータを基に分析すると、守備に対するチームの連動性が浮かび上がった。


 アイスランドは、ポゼッション22.0%、デュエル勝率45.9%と圧倒され、パス本数やシュート本数でも大きな差になった。それでもアイスランドがドローで終えることができたのは、チーム全体で統率した『インターセプト』にあった。

 アルゼンチンが終始ゲームの主導権を握り、殆どの攻撃はFWリオネル・メッシを経由した。115回のボールタッチに関与したメッシは、71本のパスを繰り出したが、クロス数は3本と浮き玉のパスは決して多くなかった。また、自身が右サイド寄りでプレーしていたこともあり、パス方向は『前方:45.1%』『左方向:32.4%』と読みやすい状態にあった。アイスランド守備陣がこれに気づき、メッシから見て『前方・左方向』にディフェンダーを配置することで攻撃をシャットアウトした。

 アイスランドが異なるパターンの攻撃を受け続けた場合、話は異なっていたかもしれない。しかし、アルゼンチンはメッシのタクトを重視した。アイスランドは、アルゼンチンの自信と策略を『インターセプト』したことで史上初の勝ち点を得ることに成功したと言える。